天野立で泳ぐ
京都に海がある事を知らなかった。
私は何故か、京都は“海無し県”だと思い込んでいたのだ。
8月、京都にギリシャの演出家パパイオアヌーが来るということで、観劇目的で2泊3日で京都に行くことにした。
さて今回はどの神社仏閣を回ろうかな、と計画を立てていた際に『海の京都』という単語を目にする。
…海?
検索すると、エメラルドグリーンの宝石みたいな海の画像が沢山出てきた。
京都ってこんなに綺麗な海があったのか…!
『海の京都』とは日本海に面する京都府北部地域(福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町)のこと。
京都の夏はとんでもなく暑いし、市街地をふらつくのはキツそうだから、観劇以外の旅行計画を海中心に組むことにした。
どうせなら泳ぎたいのでAmazonで3500円の適当な水着を注文し、計画を練る。
『海の京都』の海水浴場は思いの外沢山あり、はじめに目に入った海は琴引浜。
白く美しい砂浜が特徴で、歩くとキュっと音がする「鳴き砂」が有名な浜らしい。
京都から電車とバスで行くとなると、乗り換えが若干面倒くさい。また海水浴場までは最寄駅からバスで行くことになるので、それもネックだった。
もうひとつの候補は天野立。こちらは京都駅から特急一本で行ける。そして観光地なので駅前も開けている感じがする。海水浴場は駅から徒歩圏内……
海の京都初心者なので、今回は天野立に行くことにした。
京都出身の父に「明日天野立に行くよ」とLINEしたら、小さい頃に家族みんなで行ってるよ、とのことだった。うーん、全く記憶にない。
朝7時に起床し、京都駅から特急で約2時間半。深い緑の山々を抜けると…海!
予想以上に透明度が高く、色はきらきら輝くグリーン。フォスフォフィライト(宝石の国)の色だ…!とテンションが上がり、早速着替え、海の家で浮き輪を購入して入水。
日差しはきついけど、水は柔らかくひんやりと冷たい。
天野立は湾なので波がほとんどなく、チャプチャプ浮きながら遊びたいだけの自分にはぴったりだった。
シュノーケリングしている子供たちも沢山いたので、魚が見えるのかもしれない。
沖まで泳いだりぷかぷか浮いたり、パートナーにビデオ通話したりで2時間ほど遊び倒して大満足。
お盆前だったこともあり、海も更衣室もゆったりしていて過ごしやすかった。
そのあとはケーブルカーで高台に登り、天野立を上から眺め、温泉とサウナに入り、目星をつけていたラーメン屋さんへ。
くじからラーメンの醤油ラーメン。焦げたような苦味がある濃い濃い醤油味。かなり好みの味でした。
今回の旅であらためて感じたのは、大人っていいな、ということ。
自分の責任で好きな場所に行って、好きなように遊んでいい。見たいと思う景色は、お金と時間をかければ今すぐにでも見に行くことができる。
そして京都に住みたいという気持ちが確信的になった旅だった。山もあり、海もあり、文化もあり、本当に魅力的な街です。
またきっと来年。